デジタル化が進むビジネス環境において、効率的かつ安全なコミュニケーションは企業の生産性と競争力向上の鍵となっています。データセキュリティとプライバシーの強化を重視する企業では、オンプレミス型グループウェアが重要な役割を果たしています。
オンプレミス型システムの主な利点は、自社データセンターでの運用により、情報漏洩のリスクを抑え、厳格な規制基準や特有のセキュリティ要件に適応することが可能となります。また、カスタマイズとコスト効率の面でも優れたメリットを提供します。
本ガイドでは、オンプレミス型グループウェアの選定、導入、運用に至るまでのプロセスを詳細に解説し、導入を考える際に不可欠な洞察と実践的なアドバイスを提供します。
グループウェアの基本
グループウェアとは?
グループウェアとは、企業や組織内でのコミュニケーション、協働作業、情報共有を促進するためのソフトウェアまたはプラットフォームのことを指します。
このツールは、チームメンバー間での効率的なやり取りを可能にし、プロジェクト管理、スケジュール調整、文書共有など、さまざまな業務プロセスをサポートします。グループウェアは、リモートワークや分散型チームが一般的になる現代のビジネス環境において、特に重要性を増しています。
コミュニケーションツールとしての役割
グループウェアの最も基本的な機能は、チーム内コミュニケーションを促進することです。チャットツール、メール、フォーラム、Web会議 などを通じて、リアルタイムでの情報共有や意思決定が可能になります。これらのツールは、チーム間の透明性を高め、迅速なコミュニケーションを実現します。
スケジュール管理とタスク管理
グループウェアでは、スケジュール共有 やタタスク管理 機能を通じて、個人やチームのスケジュール管理を容易にします。これにより、業務の進捗状況を一目で確認でき、期限内にタスクを完了するための計画を立てることが可能です。
また製品によっては、スケジュールと連動した会議室や設備予約機能が搭載されていたり、Web会議用のURLの自動発行機能などもあります。
ファイル共有とドキュメント管理
ファイル共有や文書管理 機能は、チームメンバーが必要な情報にいつでもアクセスできるようにするために重要です。文書のバージョン管理や、一元化された情報アクセスポイントを提供することで、作業の効率化と情報のセキュリティを実現します。
ワークフロー管理
ワークフロー管理 機能は、業務プロセスの自動化と標準化を可能にします。これにより、承認プロセスや文書のルーティングなどが簡素化され、業務の透明性と効率性が向上します。
掲示板とポータル
掲示板機能は、組織内の重要なお知らせや情報を共有するためのプラットフォームを提供します。一方、ポータル機能は、必要な情報へのアクセスを一元化し、ユーザーにパーソナライズされた体験を提供します。
社内の規則やオフィスの利用ガイド、資料フォーマットなどの情報を一元管理することで情報を探す手間が省け、業務効率化が期待できます。
勤怠管理
勤怠管理機能は、従業員の勤務時間、休暇、出勤状況を追跡することで、人事管理の効率化を図ります。この機能を通じて、労働時間の透明性が保たれ、適切な人材配置や労務管理が可能になります。
オンプレミスとクラウドの違い
オンプレミスとは、企業が自社のサーバーやソフトウェアを自身で運用する形態です。この方式では、情報システムは社内ネットワーク内で完結し、外部からのアクセスは制限されています。これにより、企業はシステムに対する完全なコントロールとセキュリティを保持することができます。
対照的に、クラウドサービスは、インターネットを介して必要なITサービスを利用する形態を指します。企業はハードウェアやソフトウェアを所有せず、サービスプロバイダーから提供されるリソースを利用します。この方法は、柔軟性とコスト削減を可能にし、物理的なインフラストラクチャーに対する投資やメンテナンスの負担を軽減します。
オンプレミスはセキュリティとカスタマイズ性に優れている一方で、クラウドはスケーラビリティと運用の容易さに長けています。これらの違いを理解し、企業は自身のニーズに応じて最適な選択を行うことが重要です。
オンプレミスのメリット
オンプレミスは自社で構築するため、システムを柔軟にカスタマイズしやすく、自社システムと連携しやすい特長があります。また、自社のネットワーク内でシステムを稼働させるため、セキュリティ上安全性が高いことがメリットです。
最近の グループウェア 製品は、クラウドタイプの需要が伸びていますが、第三者非公開な厳秘情報、個人情報までも気軽にクラウドへアップし、社内外で共有してしまう問題が担当者レベルで起きる課題があります。個人情報の漏洩、インサイダー取引に関する問題、コンプライアンス、産業スパイ、想定外のリスクを考慮しグループウェアをオンプレミスで企業内専用環境で運用したいニーズは多いです。
オンプレミスのデメリット
オンプレミスのデメリットは一般的に次のような事が多いです。
- 初期導入時のコストが高い
- IT スキル(インフラ、Webサーバ、DBサーバなど) が必要
- 拠点接続やテレワークの際は VPN など専用インフラが必要
- 自社で障害に対応する必要がある
昨今では、総務省が働き方改革の一環として、テレワークに適した グループウェアを推奨しています。またモバイル端末利用での利便性向上もあり、クラウドでのニーズが高くなっており、テレワーク、モバイル端末に対応したオンプレミス型のグループウェア製品は非常に少なくなっております。
オンプレ型グループウェアのインテグレーション戦略
クラウドコンピューティングが広く普及する現代においても、依然として多くの企業がセキュリティやカスタマイズの柔軟性の観点から、基幹業務システムにおてはオンプレミスで運用している場合があります。特に機密情報の扱いや業界特有の規制が関係する場合、オンプレミスの選択は重要な意味を持ちます。
この状況を踏まえると、オンプレミス型グループウェアのインテグレーションは、データの一貫性とセキュリティの観点から非常に効率的です。
高速で安全なデータ連携の実現
オンプレミス型グループウェアと、既存システム(基幹業務システムなど)間は、イントラネット内の内部ネットワークを利用し高速で安全なAPI連携が実現できます。これは、情報の迅速な共有を可能にし、リアルタイムでの意思決定をサポートします。また、データの一元管理により情報の整合性を高めることができ、業務プロセスの効率化に大きく貢献します。
セキュリティの強化
オンプレミスでのデータ管理は、外部の脅威から企業の貴重な情報を守る上で重要な役割を果たします。インテグレーションにおいても、データの安全性は最優先事項となります。ファイアウォール、暗号化技術、アクセス権限の厳格な管理などを通じて、セキュリティを強化し、データ漏洩や不正アクセスから保護します。
柔軟なカスタマイズの可能性
オンプレミス型グループウェアは、クラウドベースのソリューションよりも高度なカスタマイズが可能です。企業は自社の特定ニーズに合わせたカスタマイズを行い、効率的な業務フローを構築できます。これは、従業員の生産性向上に直接寄与し、組織全体のパフォーマンスを高める結果を生み出します。
このように、オンプレミス型グループウェアのインテグレーションは、データの一貫性、セキュリティの強化、柔軟なカスタマイズの可能性を通じて、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進し、競争力を高める重要な要素です。効率的でセキュアなコミュニケーションツールの実現により、企業はよりスムーズかつ効果的な業務運営を実現できるでしょう。
【比較表】主要なグループウェア製品と、オンプレミス対応状況
次の比較表は、主要グループウェア製品のオンプレミス(閉域網)対応の有無、価格面で順番に並べています。
製品名 | 主な機能 | オンプレミス 対応 | 無料プラン | オンプレミス価格 |
---|---|---|---|---|
Chat&Messenger | チャット Web会議 スケジュール タスク管理 文書管理 設備予約 勤怠管理 | 〇 | 有 | 20ユーザ 36,000円〜 |
Group Session | スケジュール 掲示板 施設予約 ファイル共有 タスク管理 アンケート | 〇 | 有 | 基本0円 サポート費用として 10ユーザ 54,000円~ |
desknet’s NEO | メール スケジュール 掲示板 施設予約 ファイル共有 タスク管理 アンケート | 〇 | 無 | 5ユーザ 75,000円 ~ |
サイボウズ Garoon | メール スケジュール 掲示板 施設予約 ファイル共有 タスク管理 アンケート | 〇 | 無 | 50ユーザ 600,000円〜 |
R-GROUP | タイムライン スケジュール 掲示板 メール タイムカード 無料通話 | 非対応 | – | – |
e-Broad office | スケジュール 伝言メモ タイムカード ToDoリスト 掲示板 ファイル共有 | 非対応 | – | – |
Zoho Connect | チャット 投票 グループ作成 スケジュール ファイル共有 音声通話 ビデオ通話 | 非対応 | – | – |
サークル スクエア | チャット スケジュール 掲示板 アルバム ファイル共有 | 非対応 | – | – |
GRIDY グループウェア | スケジュール 設備予約 メール タイムカード ToDoリスト ファイル共有 議事録作成 | 非対応 | – | – |
enclo | チャット グループ作成 ファイル共有 フリーメモ スケジュール | 非対応 | – | – |
Lark | チャット メール 自動翻訳 ワークスペース ファイル共有 音声通話 ビデオ会議 | 非対応 | – | – |
LINE WORKS | 音声通話 ビデオ通話 画面共有 掲示板 カレンダー | 非対応 | – | – |
オンプレ型グループウェア製品の選び方
特にオンプレミス型のグループウェアシステムを選ぶ際には、以下の点を検討することが重要です。
1. システム選定のための評価基準
オンプレミス型グループウェア製品を選ぶ際には、その機能性、スマフォ対応の有無、パフォーマンス、セキュリティ、コスト、サポート体制、ユーザーインターフェースの使いやすさなどを総合的に評価します。またグループウェア製品にはWeb会議・タスク管理が搭載されてる場合も多く、企業の具体的なニーズと目標に合わせて、最も適切なシステムを選ぶことが重要です。
2. アクセス制御と監査ログ
セキュリティの観点から、ユーザーのアクセス制御機能と監査ログの記録が可能かを確認します。監査ログによりシステムへのアクセス履歴や操作記録を追跡でき、不審な動きやセキュリティ違反があった場合に早急に対処することができます。これにより、セキュリティリスクを軽減できますので、グループウェア製品にこれらの機能が搭載されているか確認してください。
3. Active Directory 連携
Active Directoryとの連携により、OSのパスワード認証やシングルサインオン(SSO)が可能かどうかを確認します。これにより、ユーザー管理が容易になり、セキュリティを強化しつつ利便性を高めることができます。検討中のグループウェア製品でどのレベルでActive Directory 連携が可能か事前に調査してください。
Chat&Messenger が実現しているActive Directory連携は以下が参考です。
4. データバックアップ方式
システムの安定性を保つためには、定期的なデータバックアップ機能が整っていることが不可欠です。災害やシステム障害の際にも迅速にデータを復旧できるよう、適切なバックアップ戦略がグループウェア製品に組み込まれているか確認してください。
5. 冗長化・負荷分散対応
システムの信頼性を高めるためには、サーバーの冗長化構成が可能かどうかを検討します。これにより、一部のサーバーに障害が発生しても、他のサーバーが代替として機能し、サービスの中断を防げます。数千ユーザー規模になると冗長化構成が必要になるため、検討中のグループウェア製品が対応可能か確認してください。
6. カスタマイズと拡張機能
企業特有のニーズに合わせて、システムのカスタマイズや拡張が可能かどうかも重要な要素です。将来的なビジネスの成長や変化に柔軟に対応できるシステムを選ぶことが望ましいです。
オンプレミス型グループウェア製品を選定する際には、これらの要素を総合的に検討し、企業の現在および将来のニーズに最も適合する製品を選ぶことが重要です。適切なシステム選択により、ビジネスの効率化とセキュリティの強化を図ることができます。
オンプレミス型グループウェアのお勧め製品紹介
Chat&Messenger は、ビジネスチャット 、Web会議、ファイル共有、スケジュール、会議室予約など周辺ツールを使いやすく統合したグループウェアで、オンプレミス・クラウド両対応です。
全てのデータを組織内で管理できるため、政府関連、大手企業、銀行、IT、大学、病院、県庁、市役所、公共機関など、インターネット接続規制のある環境(閉域網)や機密性が高いデータ(クラウド上へ保管できない)を扱う組織で多数導入実績があります。
また、Chat&Messenger はオンプレミスであっても、簡単なインストールで、5000 ユーザ以上は処理出来るよう最適化されており、IT スキルも不要です。価格面でも他社クラウドより圧倒的に割安になっており、オンプレミスの一般的なデメリットは該当しません。
またオンプレミスを構築する上で難易度が高く課題となる、次のような機能も充実している点が特徴です。
- メッセージやファイル添付の監査
- SSL証明書対応
- 冗長化・負荷分散対応
- Active Directory 連携
- オンプレミス内のEmailサーバとの連携
- 差分高速バックアップ
- アクセス制御と監査ログの対応
Chat&Messenger のオンプレミス版は有料プランとなりますが、他社と比較して高機能かつ圧倒的に低価格でご提供致します。